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2014/03/11

あの日から3年・・・

2011年3月11日に発生した東日本大震災で犠牲となられた皆様には深く哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様、未だに避難生活を余儀なくされておられる皆様にはお見舞いを申し上げ、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
わが下田市も、この教訓を生かすべく、発災が予想される東海地震および南海トラフ巨大地震にあたり、その防災強化に努めていく所存です。
防災を語る上で、発災時にその活動拠点の一つとなるのが庁舎です。いま、わが下田市においては庁舎移転に関し、多くの市民の皆様の関心が寄せられております。この「市庁舎建設計画」について、今月発刊しました活動報告書にこれまでの経緯並びに今後の行方、そして私見を記載致しました。後援会名簿にお名前を頂戴いたしました皆様には既に郵送にてお送りいたしましたが、改めてブログでご報告させていただきます。
 
 
 
下田市新庁舎建設計画
 
下田市の新庁舎建設計画予定地が大きくクローズアップされています。今、何が問題となっているのか。今後、どのように推移していくのか。論点をまとめて説明いたします。
 
<これまでの流れ> 
1_2 ■昭和32年築の本館、昭和42年築の別館、昭和53年築の西館の3棟を使用している現在の庁舎は、経年劣化による老朽化、新基準を満たしていない耐震、狭小な事務スペースによる執務環境の低下、駐車スペースの不足等、様々な問題を抱えております。これら諸問題を解決するため平成21年度から新庁舎に関する検討が開始されました。
■平成21年度より庁内ワーキング会議が組織化され、翌22年5月に概ね左記内容の報告書が作成されました。
  ・図書館併設
  ・教育委員会を新庁舎に配置
  ・延床面積6900㎡
   (うち図書館1200㎡)
  ・現地(東本郷)での建替え
  ・平成27年度開所予定
■この報告を元に準備を進めようとした矢先、平成23年3月11日東日本大震災が発生。その被災状況をかんがみ、建設位置を見直すこととなりました。
■平成23年4月、庁舎建設の事務をつかさどる「施設整備室」を新設し、同じく庁内検討委員会を設け必要事項等の検討を開始。また市民から新庁舎に対する意見を聴くための市民会議が構成され平成23年9月から平成24年2月まで会議を開催し、新庁舎等の建設位置に関する提言がまとめられました。この際提言に盛り込まれた建設適地は「①現在地 ②敷根高台」の2案併記となりました。
■同時期(平成23年10~11月)に市民アンケートが実施されました。
■市民会議からの提言を受け臨時政策会議(市役所職員よる構成)において、建設候補地を「①現在地 ②敷根公園の一部 ③敷根公園後背地」の3カ所を候補とし、庁内検討委員会・政策会議を経て、平成24年4月「②敷根公園の一部」を市の方針として決定しました。この際公園の一部を利用するにあたり法的手続きの期間を考慮し、新庁舎の開庁時期を平成27年度から平成29年度に先送りとすることとなりました。
■平成24年8月、内閣府より現庁舎位置における想定津波浸水深5.5m(平成24年3月公表時は市内最大25.3m)とする公表がありました。
■同年11月、下田商工会議所及び下田市商店会連盟より1008筆の署名と共に庁舎位置に関する再考を促す嘆願書が提出されました。
■同時期、市長より財政的理由により新庁舎開庁時期を1年程度(平成30年度)先送りする方針が示されました。
■平成25年3月、議会定例会における市長の答弁の中で、「高台移転に疑問があるならば再考の必要を検討すべき」との考えが初めて明らかとなりました。
■同年5月、岩下区長より845筆の署名と共に、安心安全な高台への新庁舎建設を促す嘆願書が提出されました。
■同年6月、広岡西区長他3名から高台移転と住民投票を求める要望書が提出されました。
■同年6月、静岡県より現庁舎位置における想定津波浸水深6.74mとする公表がありました。
■同年9月、議会定例会における市長の答弁にて「津波浸水域にあっても津波に耐えうる工法をもって現在地域付近に建築可能であれば検討する代替案を作成し検証を行う」との考えが示されました。
■同年12月、議会全員協議会にて、市長より現在地・駅ビル合築・駅周辺(2案)・敷根公園の計5案が示されました。併せて今後決定までのプロセス案が示されました。
■同年12月定例議会にて「案の絞り込みを行う過程に多くの市民の声を反映できる機会を設けるべき」との議会側からの働きかけを踏まえ、平成26年1月、市民説明会が開催され、下田市より市民に「①敷根公園 ②現庁舎位置③伊豆急下田駅合築」の3案が示されました。
(現在に至る)
 
<市が示す今後の流れ>(12月全員協議会資料より)
■平成25年度
3月 庁内政策会議(市職員による構成)にて建設候補地(1カ所)決定
同月 市議会全員協議会において説明
■平成26年度
4~5月 パブリックコメント実施。市民意見聴取
4月 住民説明会実施
5月 政策会議にて建設予定地決定
6月 市議会全員協議会において建設予定地報告
7~8月 住民説明会実施
9月 議会に関連議案提出
9月~関連事業実施
■平成27年度
   基本計画策定
   跡地利用に関する庁内検討委員会
   議会に市役所位置に関する条例改正案を上程
■平成28年度以降
   建設基本設計業務
   同実施設計業務
   建設工事着手~開庁
 
-----------------------
以下は、1月31日開催の「下田市新庁舎建設に関する説明会」で公表された下田市の3案について市が作成した資料に基づき詳細を説明します。
 
<敷根公園案>
3
敷根公園エントランス付近に4階建物を新設する計画。
概算事業費用は35億円
  -メリット-
・津波浸水域外(海抜50m)
・市の新たなシンボルとして期待できる。
・既存のスポーツ文化施設が隣接。図書館合築で更なる文化拠点が形成可。
・用地取得費不要(市有地)
・支持地盤が浅いため地業工事費が少ない。
  -デメリット-
・アクセスに課題有(公共交通危難の充実が必要)
・都市計画法・都市公園法等の規制対応を要する
・経済波及効果が低い
・公用車・職員駐車場の確保が新たに必要
・公園機能保全のための隣 接地用地購入、公園整備工事、緑化工事が必要
 
<現庁舎位置案>
1 東本郷の現庁舎位置に6~7階建物を新設する計画。
概算事業費用は48億円
  -メリット-
・周辺への経済波及効果は現状並みに期待できる
・中心市街地のため市のシンボルとして期待できる
・慣れ親しんだ位置
・市街地住民や観光客の津波避難ビルになり得る
・用地取得費用が不要(但し隣接民有地購入の場合は要用地交渉)
・アクセス性に優れている
・他と比べ建設に関わる法的制約が少ない
  -デメリット-
・津波浸水想定区域内に存するための対策が必要
・津波被害のない場所へ公用車駐車場確保が必要
・地盤液状化対策が必要
・津波被災時の瓦礫の影響による初動活動への影響が生じない対策が必要
・1階ピロティなどの設置により津波浸水時における執務環境の考慮が必要
・津波浸水に備えた階高へ防災資材備蓄品の保管計画を要し、災害時の搬入出に支障がある
・2階の引越費用を含め仮設庁舎に費用がかかる
 
<伊豆急下田駅合築案>
2 伊豆急下田駅コンコース敷地内に駅機能を併せた5階建物を新設する計画。
概算事業費用は40億円
  -メリット-
・単独での設置と比較し経済波及効果が期待できる
・中心市街地のため市のシンボルとして期待できる
・市街地住民や観光客の津波避難ビルになり得る
・先進事業の話題性を期待
・観光客への安全性アピール効果が期待できる
  -デメリット-
・津波浸水想定区域内に存するため対 策が必要
・津波被害のない場所への公用車駐車場確保が必要
・地盤液状化対策が必要
・津波被災時の瓦礫の影響による初動活動への影響が生じない対策が必要
・伊豆急行株式会社所有地建設となり、地代等を含む権利関係の調整が必要
・同会社との建設費用およびその後の維持管理費用方法について調整が必要
 
◆◆考察◆◆
1.現実的な事業費での検討をすべき
 庁舎建設の拠出金は原則国や県の補助金等の対象とはならず全て市の単独事業となります。平成21年度に検討された庁内ワーキング会議において試算された庁舎建設事業費は21億2000万円で、その内訳は
 ①庁舎建設基金積立金(貯金) 5.7億円(~23年度迄)
 ②事業対象年度(24~27)4ヵ年の一般会計からの捻出金 6.0億円
 ③起債(借金) 9.5億円
と計画されておりました。
事業年度が先送りとなり、その後も各年度①の基金への積立を行い現在高は5.67億円(H25年度末現在)となっています。ちなみに平成25年度の1ヵ年で積立てた基金は5千万円です。市収入の落込みもあり基金積立ては思うように進まず、また②で予定されている各年度1~2億円程度の一般会計からの繰入も厳しい状態にあります。
 仮に平成30年度竣工を想定し事業費をシミュレートすると、①平成26年度までの基金残高6億円 ②平成27~30年度(事業年度)の一般会計繰入金を計6億円とした場合、今回市から公表された各案のうち仮に40億円の事業費とした場合、①②を差し引いた
③起債(借金)は総額28億円となり、当初の想定をはるかに超えた借金を抱えることとなります。
2_3
 今後財政状況が一層厳しくなる将来に大きな負担を先送りすることは避けなければなりません。財政健全化を見通し、正しい事業費を想定した上で現実的に行える事業の絞り込みを早急に行う必要があると考えます。
 
2.限られた財政での事業費用の優先順位とは
 人口減少、社会福祉費の増大を見越すと、今後の財政状況はより厳しい状況となることは容易に予想できます。また観光産業を主体とする当市においては他の観光地との競争激化に対応するための投機的経費も地域経済活性化に有効的に拠出する必要があると考えます。
 更に今後特に今後大きな拠出が必要となるのは、市民要望も多い「災害対策事業」です。
 昨年末に公布施行された南海トラフ巨大地震対策特措法や、県が示した地震津波アクションプラン2013が次年度以降本格運用がされ始めます。当市においても災害対策課の設置とともに、新ハザードマップの作成をはじめ防災対策の抜本的な見直しと強化が本格的に始動される予定です。この作業の中、避難場所・避難路、必要資機材物資の不備不足等が露わになり整備の必要性も徐々に抽出されるものと思われ、事業化(予算化)が必要となることも予想されます。あるいは本来単独事業で行わなければならなかった避難所等の整備事業も、国県の補助メニューに組込まれる可能性があり、そうなった際は各市町で補助金の要望が多数挙げられ、当市もそれに挙手するには源資が必要となります。
 現在の狭小な庁舎の中、市職員の執務環境、市民サービス提供の場としては著しく劣化し、職員の工夫と苦慮は理解しており、また震災時における安全対策等、新庁舎建設が速やかに求められる状況にあります。しかしながら限られた財政を十分踏まえ、当市の現状に見合ったしかるべき優先順位を考慮した財政拠出を強く願っております。
 
3.多くの声が反映できる手続き行程を
 平成24年4月に一旦政策会議にて決められた当局案(高台案)を覆した今回の手続きには甚だ疑問が残りますが、市長の言われる「可能性の検証」を行政執行権の中で行うのであれば、この際今回の庁舎建設が市民にとってベストな事業とするために、より多くの市民の声を反映させる機会を設け、更にデメリットの解消方法を財政負担と併せ深く検証したうえで広く議論さることを期待します。併せて前述の他投資との優先順位の検討も市民の皆様に投げかけるべきと考えます。
 平成30年の開庁を目標とする現在のスケジュールにおいても26~27年度で検証、28~29年度で準備実施、29~30年度で建築事業の流れであれば、先に市が掲げた「庁内会議のみで候補地を一本化」する行程に捉われることなく市民を交えた検証は十分可能であると考えます。
 
 将来の財産にもなり得る、反面将来の負債にもなり得る今回の事業。議会構成員としても多くの皆様の意見を反映しつつ慎重かつ適正な判断にて審議を進めていく所存です。

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コメント

下田の場合、 市庁舎が古いのはわかるが、そんなのに何十億かけるかけないなんて議論よりも、 まずは 津波発生時の市民の避難路、避難設備の整備が先決ではないのか??     お年寄りが圧倒的に多く、 いざというときに10分ー15分で逃げられる場所がどこにあるのか、 議員さんたちはまず考えてもらいたい。 城山公園に全員逃げろというのか??    旧市街地は三方が山に囲まれてるんだから、まずはそこに着目し、避難路を整備してもらいたい(今は、山はあっても、登り口がほとんど無い。)。市庁舎よりも人命優先!!!       箱物行政、役人視点の議論などしてないで、住民優先の議論をすべき。

笹本様、コメントありがとうございます。
貴殿の仰る通り、まずは危険が叫ばれている被災時の避難場所の整備が最優先課題であることは間違いありません。更に述べると今回の庁舎建設計画と、防災減災対策が同軸で語られる論調に違和感を感じてなりません。

私も所属する災ボラ(民間団体)で行っている逃げ地図作成訓練でも、旧町内の避難場所が圧倒的に足りないことは明白であり、本郷地区がブラックゾーンになること、旧町内でも家屋の倒壊等で避難路が分断される恐れがあること、また避難場所とされている長楽寺や旧沢村邸側の下田公園階段、大安寺墓地の階段が避難時に大渋滞が起きることなどが想定されており、これらの結果を行政側に伝え、避難空白地域の解消、再整備を強く要望しております。
国政、県政側との連携を図り本年度より本格運用されている南海トラフ巨大地震特別措置法などをうまく活用した事業実施も、これだけの被害想定を突き付けられた下田市だからこそ大きな声で強く要望もできるものと考えております。
実施される段階となれば順を追っての整備となると思われますが、現在は下田小学校、下田保育所、広岡周辺地区の住民の避難を対象とした春日山の整備を要望しており、市も本格調査に乗り出してくれそうです。

三方を山に囲われた地形を生かした計画、10-15分と短い時間ですが、志太榛原沿岸と比べれば少ないながらも猶予を与えられた下田市には、諦めることのない事前対策が十分にあると信じています。私も強く賛同する笹本様の貴重な意見を確りと行政に伝え、目に見える防災対策強化を、庁舎建設問題と切り離し、併せて危機管理状況下における行政機能がしっかりと遂行できる庁舎並びに庁内組織形成を強く促して参ります。
ありがとうございました。

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